千言万辞「て」其の一|定価・手違い・展望ほか20語

【定価(ていか)】

値引き前の通常販売価格。割引率を立派に見せる脇役。

「半額を見て必要かどうか忘れた。」


【定年(ていねん)】

一定の年齢で職を退く制度。予定表はそこで白紙にならない。

「退職翌日に家の役職が増えた。」


【定番(ていばん)】

長く支持されるお決まりの品や方法。冒険の敗者復活先。

「新商品を試して結局いつもの味へ。」


【手遅れ(ておくれ)】

適切な時期を逃したこと。気付く時刻だけ正確。

「締切後に改善案が百件届いた。」


【手紙(てがみ)】

思いを文字で伝える文書。送信前に寝かせる機能がある。

「三日後に読み返して封を閉じた。」


【手口(てぐち)】

物事を行うやり方。悪事では説明が妙に具体的。

「限定の時計で購入を急かされた。」


【手応え(てごたえ)】

取り組んだ際の感触や成果の見込み。数字を見るまで仮説。

「自信満々で公開し閲覧数を見た。」


【手探り(てさぐり)】

確かな見通しなしに試すこと。慎重でも前には進める。

「一件の返事から方向を変えた。」


【手助け(てだすけ)】

困っている人に力を貸すこと。全部代行すると別の仕事。

「一度の親切が毎月の担当になった。」


【手違い(てちがい)】

手順の取り違えなどによる間違い。主語を薄める便利な言葉。

「誰のミスかだけ議事録に残らない。」


【手抜き(てぬき)】

必要な工程を省いていい加減に済ませること。省力化とは違う。

「時短した分を後日の謝罪に使った。」


【手間(てま)】

作業にかかる労力や時間。無料依頼で最初に消える費用。

「ちょっと直してに一晩かかった。」


【手前味噌(てまえみそ)】

自分のことを自分で褒めること。謙遜の前置きが付く。

「恐縮ですが、から自慢が始まった。」


【手土産(てみやげ)】

訪問時に持参する贈り物。中身より選ぶ時の緊張が大きい。

「好みを調べて駅を二周した。」


【テレワーク(てれわーく)】

離れた場所から通信で働くこと。自宅の椅子が人事評価を左右する。

「上半身だけ出勤仕様だった。」


【転機(てんき)】

状況が大きく変わるきっかけ。発生時にはただの面倒事。

「異動が十年後の商売につながった。」


【天才(てんさい)】

並外れた才能を持つ人。努力の内訳を消す便利な称号。

「徹夜の研究を一言で片付けられた。」


【添削(てんさく)】

文章などを直して改善すること。赤が多くても愛情とは限らない。

「修正履歴の方が本文より長かった。」


【テンプレート(てんぷれーと)】

繰り返し使えるひな形。個性まで複製すると事故になる。

「宛名だけ前の客のままだった。」


【展望(てんぼう)】

今後の見通し。見晴らしが良くても道は自分で歩く。

「五年計画の初日は会議だけだった。」