千言万辞「を」其の一|を合図に・を通じて・をよそにほか20語

収録注記:現代日本語では「を」で始まる独立語を20語そろえるのは難しいため、助詞「を」から始まる連語・定型表現を20項目収録しています。

【を合図に(をあいずに)】

ある出来事をきっかけとして行動する表現。待ちすぎると号砲が遠い。

「鐘の音を合図に全員が走り出した。」


【をいいことに(をいいことに)】

都合のよい状況に乗じる表現。親切を食い物にする。

「不在をいいことに会議室を占領した。」


【を隠れみのに(をかくれみのに)】

別の目的を覆い隠す口実にする表現。理念がよく使われる。

「調査を隠れみのに観光してきた。」


【を皮切りに(をかわきりに)】

ある事柄を最初として次々始まること。第一弾が最後のことも。

「東京公演を皮切りに全国へ向かった。」


【を機に(をきに)】

ある出来事をきっかけにすること。変える決心は別途必要。

「転職を機に朝の習慣を変えた。」


【を口実に(をこうじつに)】

何かを表向きの理由に使うこと。本当の目的は裏にいる。

「取材を口実に旧友と飲んだ。」


【を最後に(をさいごに)】

その時を限りに終えること。決意には証拠が要る。

「今月を最後に夜更かしをやめた。」


【を境に(をさかいに)】

ある時点から状態が変わること。後でしか気付きにくい。

「入社三年目を境に返事が短くなった。」


【を盾に(をたてに)】

立場や事情を利用して自分を守ること。権利が責任を隠す。

「規則を盾に一切の相談を断った。」


【を通じて(をつうじて)】

手段や期間などを介して行うこと。仲介だけが主役になる場合も。

「友人を通じて古い恩師に連絡した。」


【を通して(をとおして)】

媒体や経験などを経由すること。見る景色は媒体次第。

「取材を通して自分の思い込みを知った。」


【を問わず(をとわず)】

条件で区別せず対象にすること。例外の脚注には注意。

「年齢を問わず応募できると書いてある。」


【をはじめ(をはじめ)】

代表例を挙げてほかも含める表現。何人いるかは別。

「店長をはじめ全員が応援した。」


【を含め(をふくめ)】

示した物も対象に入れる表現。人数を増やす時に便利。

「送料を含め予算内か計算した。」


【を踏まえて(をふまえて)】

情報や事情を前提として判断すること。読んだだけでは足りない。

「苦情を踏まえて案内文を修正した。」


【をめぐって(をめぐって)】

物事を中心に議論や争いが起こること。議題が勝手に増える。

「席順をめぐって会議が延びた。」


【をもって(をもって)】

手段や時点などを示す表現。閉店の通知で急に重くなる。

「本日をもって受付を終了する。」


【をものともせず(をものともせず)】

困難を気にせず進むこと。危険を無視してよいわけではない。

「逆風をものともせず予定を守った。」


【を余儀なくされる(をよぎなくされる)】

望まずある行動をせざるを得ないこと。原因の説明が重要。

「設備故障で延期を余儀なくされた。」


【をよそに(をよそに)】

周囲の反応を気にかけないこと。大胆さと無神経は隣り合う。

「心配をよそに本人は昼寝していた。」