千言万辞「え」其の一|英断・エビデンス・遠慮ほか20語

【英断(えいだん)】

優れた思い切った決断。後から成功者が名付ける。

「撤退を決めた日だけ会議が短かった。」


【栄転(えいてん)】

今より良い地位へ移ること。引っ越し業者には普通の移動。

「肩書きは上がり通勤時間も伸びた。」


【ええかっこしい(ええかっこしい)】

格好よく見せたがる人。人前でだけ財布が軽い。

「会計時に真っ先に伝票をつかんだ。」


【笑顔(えがお)】

ほほえむ顔。接客では値札のない主力商品。

「説明より先に財布が緩んだ。」


【餌(えさ)】

動物を養う食べ物。人間には無料特典の姿で現れる。

「登録の代償に通知が百通届いた。」


【絵空事(えそらごと)】

現実離れした計画や話。プレゼン資料では色鮮やか。

「予算欄だけ透明になっていた。」


【枝葉(えだは)】

物事の重要でない細部。本筋を忘れる会議の名産品。

「ロゴの角度で三時間使った。」


【えっ(えっ)】

驚きや聞き返しを表す声。都合の悪い質問にも便利。

「昇給の話になると聞こえなくなる。」


【得手(えて)】

得意とすること。不得手の申告は小声になりがち。

「司会だけは譲らなかった。」


【エビデンス(えびでんす)】

主張を裏づける証拠。横文字にしても捏造は消えない。

「数字の出所を尋ねたら沈黙した。」


【絵文字(えもじ)】

気持ちなどを表す図形。文章の真意まで保証しない。

「笑顔三つの後に厳しい催促が来た。」


【選り好み(えりごのみ)】

好みで選り分けること。選ぶ時間が成果を超えることも。

「案件より椅子を慎重に選んだ。」


【縁(えん)】

人や物とのつながり。名刺の枚数では測れない。

「十年ぶりの連絡が営業電話だった。」


【縁起(えんぎ)】

吉凶の前触れや由来。験担ぎだけでは締切は守れない。

「勝負服が洗濯中で延期した。」


【演出(えんしゅつ)】

場面を効果的に見せる工夫。中身の不足まで照明で補う。

「拍手の練習が本番より長かった。」


【炎上(えんじょう)】

ネット上で批判が集中すること。謝罪の語尾でも延焼する。

「訂正投稿が第二会場になった。」


【演説(えんぜつ)】

人前で考えを述べること。短さを約束して長くなる。

「残り一分が十五分続いた。」


【延長(えんちょう)】

時間や期間を延ばすこと。解決を保証する制度ではない。

「締切だけが三度引っ越した。」


【円満(えんまん)】

争いがなく穏やかなこと。全員の本音とは限らない。

「異議なしの後で廊下が騒がしい。」


【遠慮(えんりょ)】

相手を思って言動を控えること。取り皿の最後の一個で試される。

「最後の唐揚げが冷めていった。」