多くの地方イベントでは、「なんとなく去年より多く来てほしい」「X(旧Twitter)とInstagramをやっておこう」といった感覚ベースの集客・広報計画がまだ多く見られます。
ですが実際のところ、過去の来場者データや告知媒体の履歴を整理してAIに解析させれば、集客傾向の分析→次回目標設定→告知施策ごとの費用対効果の見積もりまで一気通貫で設計することが可能。
しかしやっているところは、ほどんどありません。
そこで本記事では、ChatGPTをはじめとした生成AIを活用し、次の3つの観点からプロンプトを紹介します。
内容は下記3点を特に重視。
- 過去の集客データから来場傾向を分析
- 次回集客目標を根拠付きで策定
- SNS施策ごとの費用対効果(ROI)を予測
定量的で説得力ある集客戦略を立てたい自治体・観光協会・イベント運営団体におすすめの内容となっています。
ステップ1:過去集客データ分析&目標策定プロンプト
あなたは地方イベントの集客戦略に詳しいマーケティングアナリストです。以下の過去イベントの開催データと集客数を分析し、傾向をまとめたうえで、次回イベントの現実的な集客目標とその根拠を提案してください。
分析ポイント:
- 曜日/天候/競合イベントの影響
- 告知媒体別の効果
- 年齢層/地域別の来場傾向
- 来場者数の変動と要因の相関
【イベント概要】
- 名称:まちなか音楽フェス in ○○市
- 2022年10月9日(日)晴れ:3,800名(主に市報・ポスター告知)
- 2023年10月8日(日)小雨:3,200名(SNS+YouTube+FMラジオ活用)
- 来場者の約40%が市外、65%が10〜30代
出力形式:
1. 集客傾向まとめ(3点)
2. 想定来場者数(数値+根拠)
3. 現実的な目標と挑戦的な目標
4. 改善策と期待値(数値付き)
ステップ2:SNS施策ごとの費用対効果(ROI)予測プロンプト
あなたはデジタルマーケティング分析の専門家です。以下のSNS施策案について、過去の集客効果や媒体特性をふまえて、1万円あたりの想定来場者数(CPA)および費用対効果(ROI)を予測してください。
出力形式:
- 施策名
- 想定CPA(1来場者あたりコスト)
- 想定来場者数(施策ごとの集客予測)
- ROI評価(高/中/低)
- コメント(適用条件や注意点など)
【SNS施策案】
1. Instagram広告(ジオターゲティングで20代中心)
2. X(旧Twitter)キャンペーン(ハッシュタグ投稿+抽選)
3. YouTube 15秒CM(エリア限定)
4. 地元インフルエンサーとの投稿コラボ(フォロワー数1万)
5. 市公式アカウントでの定期告知(フォロワー数3,500)
ChatGPTによる出力例(抜粋)
Instagram広告
- CPA:約220円/人
- 想定来場者数:450人(1万円で45人)
- ROI評価:中〜高
- コメント:視覚訴求が強く、若年層への即効性あり。ただし地域設定が甘いと効果がブレる。
Xキャンペーン
- CPA:約180円/人
- 想定来場者数:550人(抽選+拡散効果)
- ROI評価:高
- コメント:話題性が出れば一気に拡散する可能性あり。運用設計に工夫が必要。
YouTube広告
- CPA:約300円/人
- 想定来場者数:350人
- ROI評価:中
- コメント:15秒CMはスキップ率が高く、ブランド認知には貢献するが即効性は限定的。
AIごとの出力傾向比較表
AI名 | 出力の特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|
ChatGPT | 傾向分析→目標→数値効果→提案が一貫して明瞭 | 報告書/施策企画書/会議用スライドの素案作成 |
Claude | 丁寧で感情に寄り添った表現が得意。地域性や市民感情に敏感 | 市民広報文案/イベント趣旨説明/住民説明資料など |
Gemini | 指標別・表形式の出力が得意で、数値比較と評価軸の整理に強い | SNS施策比較表/予算配分シミュレーション/KPI整理 |
応用例
- SNS施策ごとの予算配分シミュレーションに活用
- SNS投稿パターン別の拡散シナリオ生成(AI支援)
- 広報部とマーケ部の連携資料として使用
- 市長や自治体幹部への簡潔な施策報告資料に展開
- 次年度イベント申請用「根拠ある集客計画書」として提出可能
- 複数地域イベントを比較した“投資対効果レポート”にも応用
まとめ
感覚的に運営されがちな地方イベントも、AIの力を借りれば、過去データをもとに戦略的かつ根拠ある集客計画やSNS広報の費用対効果予測が可能になります。
特にChatGPTは、傾向の整理から数値予測、施策提案までを一貫して出力でき、初稿作成や会議資料作成の効率化に絶大な効果を発揮するはずです。
単なる「がんばる広報」から、「戦略的に伸ばす集客」へ。
まずは2〜3年分のイベントデータと、想定しているSNS施策をAIに渡し、シミュレーションを試してみてください。
そこから“伸びしろのあるイベント”を設計する未来が広がるはずですよ。
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